過積載の罰則| 2023.1.8
過積載の取り締まり基準を解説!どこからアウト?
最近、運送業界の間で「過積載の取り締まりが厳しい」という噂を聞いて、どこからアウトなのか、取り締まりの基準が気になっていませんか?
結論から申し上げると、車両ごとに法律で決められている最大積雪量を超えるとアウトです。
つまり、最大積載量を1割でも超えたまま走行したら違法行為になるので要注意!
この記事では、過積載の取り締まり基準について詳しく解説していきます。
目次
過積載は違法!取り締まり強化中
過積載(かせきさい)とはその名の通り、トラックやダンプなどの貨物車の荷物に最大積雪量を超えた分の荷物を積んだまま走行うする行為のことをいいます。
大量の荷物を載せたまま走るとブレーキをかけても効かなくなったり、荷物が落下するリスク、カーブや坂道で転倒したり、前方の車に衝突して大事故に発展するケースもあります。
過積載は人の命に関わる大事故の原因となり、道路や道路橋を破損・陥没させて、水道管を破裂させるケースも過去に起きていますので、取り締まりが年々強化されているのです。
過積載はどこからアウトなの?
過積載の判断基準は最大積雪量を超えると、即アウト!となります。過積載には許容範囲という優しいシステムはなく、1割オーバーでも事実上、違法行為とみなされます。
取り締まりではどうやって過積載を見抜いているかとというと、警察官のチェック方法はタイヤのたわみ具合やリアサスペンションの下がり具合などを目視で確認することが多いです。
過積載が疑われる車両はスケールに誘導されて計測します。最近は、高速道路や一般道でも自動スケールが設置されており、通行しただけで過積載が発覚することもあります。
特に首都圏、北関東自動車道などでは国土交通省や警視庁、関東運輸局が合同で取り締まりを実施しており、一斎摘発されるケースもあるようです。
過積載の取り締まり基準:最大積載量をチェック
トラックやダンプカーなどの貨物車には、車両ごとに最大積雪量が決まっています。
車両重量、車両総重量、最大積載量、乗車定員は車検証に記載がありますので確認しておきましょう。
▽最大積載量の計算方法
最大積載量(kg)=車両総重量-車両重量-(乗車定員×55kg)
▽車両総重量の計算式
車両総重量=車両全体の重量+乗車定員全員分の体重+最大積載量
過積載の罰則(違反点数・罰金)
最大積載量を超えて走行して過積載と判断されると、道路交通法(第57条)、道路法(第47条)、貨物自動車運送事業法(第17条)において違法となり以下の罰則が課せられます。
▽大型車の場合
違反点数 | 反則金 | |
---|---|---|
過積載の割合が5割未満 | 2点 | 3万円 |
過積載の割合が5割以上10割未満 | 3点 | 4万円 |
過積載の割合が10割以上 | 6点(免許停止) | 6ヶ月以下の懲役 または10万円以下の罰金 |
最大積載量の2倍を超えた場合、運転手は即時勧告の対象となり、6点減点100万円以下の罰金刑という厳しい罰則が待ち構えているので要注意です。
▽運転手への罰則
過積載があった場合、ドライバーは車種と過積載の割合による違反点数・反則金を支払います。民事訴訟による損害賠償責任を負うこともあります。
▽事業主への罰則
運転手に過積載を下命した事業者は、違反内容と回数によって車両の使用停止の処分を受けます。悪質な場合は事業の許可・運行管理者資格を取り消しされることもあります。
車両の使用停止日数の処分基準
初回 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | |
---|---|---|---|---|
過積載が10割以上 | 30日 | 80日 | 200日 | 500日 |
過積載が5割以上10割未 | 20日 | 50日 | 130日 | 330日 |
過積載が5割未満 | 10日 | 30日 | 80日 | 200日 |
▽荷主への罰則
再発防止命令が出された後に過積載をした場合、荷主には6月以下の懲役または10万円以下の罰則が科せられます。
過積載の取り締まり基準はなぜ厳しいの?
過積載の罰則をみて、なぜこんなにも厳しいのか…と絶句された方もいらっしゃるでしょう。
それには、近年の運輸業界における低コストの現状があります。
規制緩和による運輸業界の価格競争が激しくなり、荷主側は安い運送費を求めて強気に発注するケースが増えており、運送会社はしかたなく低価格で引き受けている傾向にあります。
さらに、運輸業界ではドライバーの人手不足に悩んでおり、一度に大量の荷物を積んで、コストを抑えて配送したいと考えるようになりました。
そこで過積載は危険で違法行為だと知りつつも、『見つからなければ大丈夫』と思って、ドライバーに意図的に過積載をするように指示するケースが増えているのです。
こういった背景から運輸業者による過積載は跡を絶ちませんが、警察と国土交通省は過積載を根絶するために取り締まりを強化しています。
まとめ
取り締まりを行うのにはそれなりの理由があり、安易な気持ちで違反を行うと大きな事故を起こしたり、車両を破損してしまい損害金が多くなってしまったりします。
過積載問題は、実際に被害が出てからではなく、未然に対策をし、ドライバーだけではなく、運輸業者、荷主など物流に関わる全ての人たちが意識を高めることが大切と言えます。