過積載の罰則| 2022.12.25
過積載に許容範囲がない3つの理由!貨物車の最大積載量について徹底解説
運送業者に携わる方は、トラックやダンプカーなどの貨物車に最大積載量が定められていることをご存知かと思います。
少しでも多くの荷物を効率よく運ぶために、過積載の許容範囲があれば、荷台にギリギリまで荷物を積みたいとお考えかもしれません。
しかし、結論から申し上げて、過積載に許容範囲は設定されていません。つまり、車両ごとに決められた最大積載量を超えてしまったらアウト!という厳しい現実となっています。
この記事では、過積載に許容範囲が認められない3つの理由とトラック、ダンプカーなどの貨物車の最大積載量について解説します。
目次
過積載に許容範囲がない3つの理由
ネット上では、「過積載の1割ぐらいだったら罰せられない」という話が出回っていますが、実際には、過積載には許容範囲はなく、最大積載量以上の重量の荷物を積んだ時点でNGです。
そうはいっても、「過積載の1割」という範囲は取り締まっている警察官の目視では判断するのは難しく、
「たった1割だから許してあげよう」というのではなく、現実問題として細かい目視での測定が難しいために見つけにくい、それで検挙されにくいため、そのような噂話が広がっているのです。
しかし、先程も申し上げたように、過積載に許容範囲はありません。計量器で計測取締りを行われ、道路運送車両法で決められた車両ごとの最大積載量を少しでも上回った場合は過積載となるため注意が必要です。
なぜ、過積載はこんなにも厳しいのでしょうか?
それには下記のような理由があげられます
①走行性能の低下
過積載は荷物を積みすぎた状態で走行するため、ブレーキをかけても、車が停止するまでの制動距離が伸びる「フェード現象」が起こりやすく、大変危険な行為です。
トラックが止まりきれずに前方の車に衝突したり、カーブや下り坂などではバランスを崩して横転するリスクもあります。大きな事故に繋がるリスクがあるので注意が必要です。
②道路の老朽化
過積載によりトラックやダンプカーが転倒した場合、道路や道路橋が破損したり、陥没して崩壊することがあります。路面が老朽化したり、水道管が破裂するリスクもあります。
また、過積載は騒音や騒音、振動などの交通公害を引き起こし、自然環境にも影響を与えますので、最大積載量を守って走行することが大切です。
③車両の劣化・破損リスク
運送業者はドライバーの人手不足に悩んでいるケースが多く、また近年の業界の競争が激しくなっていることから、コストを抑えるためにわざと過積載を行う悪質なケースもみられます。
しかし、過積載をして荷物を積みすぎると車体に負荷がかかりすぎて、部品やタイヤの劣化が進んで故障の原因になったり、燃料費も余計にかかってしまい、メリットはありません。
トラックとダンプの最大積載量を知っておくべき
過積載には許容範囲がありませんので、貨物車の最大積載量について確認しておくことが大事です。
メーカーによっても異なりますので、事前に目安を把握しておきましょう。
【大中小別】トラック・ダンプの最大積載量
最大積載量と車両総重量は以下のとおりです。
▽最大積載量と車両総重量の目安
・小型トラック
最大積載量はおよそ3トン以内
車両総重量はおよそ4.5トン以内
・中型トラック
最大積載量はおよそ6トン以内
車両総重量はおよそ11トン以内
・大型トラック
最大積載量はおよそ8〜11トン以内
車両総重量は20トン
・ダンプカー
最大積載量は小型が3トン、中型が6.5トン、大型が6.5トン以上
・増トントラック
最大積載量はおよそ8トン以内
車両総重量は最大15トン
・減トントラック
最大積載量は2トン以下
違反した場合は、車両使用停止処分や事業許可取り消しなど、厳しい罰則を受ける可能性があるので十分に注意が必要です。
まとめ
日頃のニュース報道でもあるように、過積載は大事故に繋がる大変危険な行為です。
運送会社、ドライバー、荷主それぞれが意識を高めて予防する努力が必要といえます。