近年過積載での違反取り締まりが多くなり、その中でも10割を超えて検挙される方が多くいます。

過積載10割、つまり最大積載量の2倍以上の積載物を積み込み運送すると車両の破損・制動距離の増加・重い罰則を受けることになります。

実際、過積載 10割を超えると荷主・事業者・ドライバーはどうなってしまうのでしょうか？それぞれの罰則やデメリットについて細かく解説していきます。

そもそも過積載とは？

過積載（かせきさい） とは、車両や船舶などの運搬装置に対して、許容量を超える荷物を積み込むことを指します。

過積載10割のデメリットについて

過積載10割を指示した荷主におけるデメリット

・荷崩れや破損による経済的損失

許容積載量を大幅に超える過積載10割超過により、積載物（商品）の荷崩れによる破損が起こります。運送事業者に損害を請求しようにもそもそも過積載を指示（違法な依頼）を行っているので、法的に請求するのは難しいと言えるでしょう。

・納期の遅延

過積載10割超過つまり通常では考えられない重さの荷物を乗せることによりドライバーはいつもより慎重に運転をせざる負えなくなります。その結果納期の遅延が発生する可能性が高くなり『欲しい時にない』という状況になりかねません。

通常であれば納期遅延は運送事業者側の責任ですが、上記で記した通り違法な依頼を行っているので、法的に責任を追求するのは困難です。

過積載10割を指示した運送事業者におけるデメリット

・車両のダメージ増加による経済的損失

許容積載量を大幅に超える過積載10割超過により受ける車両のダメージは甚大です顕著に現れる部分で言うとタイヤのバーストおよび偏摩耗による交換頻度の増加、長期的な目線で言うと大きな負荷のかかるハブボルト、サスペンション、スイングアーム、アクスルシャフト等の部品に負荷がかかり、走行中突然破損し思わぬ大事故に見舞われるケースが多々見受けられます。

・ドライバーの人材確保が困難になる

罰則の部分で記述しますが過積載10割を超える指示を出した事業所ともなれば、採用の面でも苦戦することでしょう。過積載を行い直接的な罰則を受けるのはドライバーですそこまでの危険を冒してまで、勤めたいと思わないのが通常の考えでしょう。

過積載10割を行ったドライバーのデメリット

・操舵性の低下、制動距離の増加による運転負担の増加

過積載10割つまり通常よりも2倍以上の荷物を積載しているので、スピードは出ない、止まらない、カーブは曲がりにくい、といった運転負荷が増加します。また『違法に道路を走行している』といった心理的不安もあり通常の走行よりもどっと疲れが出ることは間違えないでしょう。

・免許に傷がつく

過積載10割で検挙されると減点になります。当然減点になれば講習を受けなければならなくなったり、最悪の場合免許の剥奪もあり得るのでドライバーとして働くことができなくなります。

過積載10割の罰則について

過積載10割を指示した荷主に対しての罰則

荷主等は、運転者に対し過積載となることを知りながら、積載物を売り渡したり、引き渡したりしてはいけません（道路交通法第58条の5第1項）、これに違反した主等が、反復して過積載の要求をする恐れがあると認められるときは、響察署長から過積載の「再発防止命令」（道路交通法第 58条の5第2項）が出されます。

罰則

再発防止命令に違反すると、6カ月以下の懲役又は10万円以下の罰金が科せられます。

過積載10割を指示した事業者に対しての罰則

1. 過積載車両に係る公安委員会による指示

過積載運転が行われた場合は、運転者に対して罰則等を適用するとともに、将来における過積載を防止するため、過積載を防止する措置を講ずるべき責任のある車両の使用者に運行管理を改善させる必要があります。

この場合、公安委員会は、車両の運行管理の改善を図るため、自動車の使用者に対し、過積載を防止するため必要な措置を執ることを指示します。

2． 過積載運転に係る自動車の使用制限処分

自動車の使用者が業務に関し過積載を下命し、又は容認した場合や、上記1.で公安委員会の指示を受けた自動車につき1年以内に再度過積載運転行為が行われた場合には、公安委員会は、自動車の使用者に対し、3カ月を超えない範囲以内で自動車を運転し又は運転させてはならない旨を命ずることとなります。

3．罰則

（1） 自動車の使用制限命令違反（上記2.の命令に違反した場合）

3カ月以下の懲役又は5万円以下の罰金

（2） 自動車の使用制限に関する標章を破損し、汚損し又は取り除いた場合

2万円以下の罰金又は科料

（3） 過積載を下命・容認した場合

6カ月以下の懲役又は 10万円以下の罰金

過積載10割を行ったドライバーに対しての罰則

大型車の場合

違反点数6点（免許停止）
6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金

普通車の場合

違反点数3点
罰金3万5千円

まとめ

いかがでしたでしょうか？過積載10割（2倍）で運搬するとかなり大きなデメリットと罰則があります。